2008年06月10日

篆書の増減法

<はんこ屋職人養成講座>
はんこ屋の先輩から知らなかった言葉を教わりました。
『篆書の増減法』かっこいい響きです(笑)

以前にブログでも書いていますが、特に回し彫りの時
(法人の代表登記印や銀行印を『まわしぼり』というと
 いかにもプロらしく聞こえますので、
 皆さんも使ってみましょう(笑))
篆書で横棒が多い場合、くっつけるなどして横棒を減らしても
その漢字に見えれば良いのです。

はんこ屋の先輩に、ある漢字の省略の仕方が一般的か尋ねた時に
「昔から、篆書の増減法といって、
 横棒縦棒を増やしたり減らしたりしても
 篆書の場合は、その字に見えればいいんだよ。
 増減法は『中』の字で考えるとわかりやすいよ」
「へぇ、そんな言い方するんですね。
『中」のちょんちょんですね。
横を伸ばすのも増減法というのかな。あれは、延長かな」
「多分延長だね」

さて『中』のちょんちょん、わかりますか。
『中』の篆書(印篆)を色々書いてみましょう。
nakaのコピー.jpg
これでちょんちょんがわかりましたね。
本来はない短い横棒が加わっています。

確か若冲の落款印にもこの技法?が取り入れられたものが
あった気がします。

現在こんな風に『中』をお彫りするか、というとまず彫りません。
ご注文が印相体中心ということもありますが、
間違えではなくても、違った字に思えますので、
お客様からの希望がない限り増やして彫らない方が良いです。

『直』の字は、増減どちらもありましたので、参考に。
choku.JPG

篆書が増減法ならば、印相体は、さしづめ延長法、
さらに、しぶちかはんこ屋はモチーフ法でしょうか(笑)

はんこ屋職人を目指す方、説明も大事です。
増減法を使いたい時は
「この字は篆書の増減法で横棒を増やすことで
 印影のバランスが格段と良くなります。
 余談ですが、まわしぼりの時は、
 横棒、縦棒の多い漢字は減らして彫ります。
 あっ回し彫りというのは、
 会社の印鑑で外側に会社名を彫るものです」
もうこれで、信頼度アップです。
はんこ屋職人は意外と計算して話しています(笑)

篆書でなくても、田中さんの場合
『中』の字には右側の下側に点をつけますね。
『中』は縦棒を長くしたほうが、格好いいにもかかわらず
印鑑の丸の中では、限られたスペースなので
昔の職人さんは色々と研究したのでしょうか。

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posted by 一日3本 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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