2022年01月28日

印鑑デザインルール<1.1.2コントラストで美しく>

1.1.2コントラストで美しく
字がキレイに書けなくても、はんこを美しく作れる一つに理由として、印鑑は枠と文字の太さのコントラストで美しく見えることを知っているからです。
書体見本篆書の180と181を見てみましょう。
180は文字が太く枠が細い。
181は文字が細く枠が太い。
他の書体見本を見ても、この対比になっています。
枠と文字の太さの違いを感じられない機械彫りののっぺりしたはんこを見ます。
ご自身のお持ちはんこを確かめてみて下さい。

余談ですが
文字も枠も太くて美しい印鑑は、とても力量のある職人が作っているか、篆刻作家さんが作っている場合があります。そんなはんこをお持ちでしとら大切にしてあげて下さい。
posted by 一日3本 at 07:21| 印鑑デザインルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月27日

印鑑デザインルール<1.丸印のデザインルール共通>

1.丸印のデザインルール
1.1書体共通
1.1.1朱文が基本
はんこの彫り方として文字を残す朱文(しゅぶん)と文字のところを彫る白文(はくぶん)があります。文字通りはんこを押した時、朱文は文字が赤くなり、白文は文字が白くなります。
角印の見本ですが上が朱文、下が白文です。
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白文は実印、銀行印として基本認められません。
これは想像ですが、白文は朱部分が多く、完璧に押すことが難しくて、本来なら朱の部分に抜けが発生して登録した印鑑と押印された印鑑の判別がつきにくいからではと考えられます。
また、手で彫ると垂直には彫れず、断面に角度がつき、白文の場合は特に、押し方、朱肉によって文字の太さが異なってしまいます。
白文は実用的ではなく、落款印以外は朱文でデザインを考えましょう。
posted by 一日3本 at 07:32| 印鑑デザインルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月26日

印鑑デザインルール<説明の流れ>

<説明の流れ>
この書体見本の印影の下にある番号を使って説明していきます。
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1.丸印のデザインルール
1.1書体共通
1.2書体別
2.法人役職印のデザインルール
3.角印のデザインルール
4.印相体のデザインルール
5.落款印のデザインルール
このような流れで説明して行きます。
posted by 一日3本 at 07:24| 印鑑デザインルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月25日

印鑑デザインルール<プロローグ>

印鑑、印影のデザインにはルールがあります。
ルールに則り、はんこを彫ったり、はんこのデザインをすると、まともなものが出来上がります。
しかしそのルールが記載された本も小冊子さえ見たことがありません。長い間、はんこの業界誌をとっていましたが、そこにも印鑑デザインのルールについて記された本も記事も見たことがありません。

では、どのようにして印鑑デザインを学んだかというと、はんこの印刻の下請け会社、松磧社さんが作成した書体見本をよく見ることと
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10年に渡り父に印稿のダメ出しを受けて学びました。
ここをもう少し長くするとか、この字を少し下げるとか具体的な指示を受けましたが、その理由については一切口にせず、悔しいことに言われた通りすると良くなりました。
10年くらい経った時に、印稿を見せてもダメ出しすることが極めて少なくなり、自分で卒業として印稿を父に見せるのをやめました(笑)

その過程で印鑑デザインルールが自然と身に付きました。

こんなこともありました。
私のおじいちゃんと一緒に仕事をしていた高齢なはんこ職人さんが、たまたまお店に来て、初めて書いた「弓」字が入った印稿をみて、うなずき、きちんとしているねと言い
「文字と考えずに作ればいいんだよ」
当時ははんこ職人さんが文字と思わずにどうするんだよと心の中で思いました。
今にして思うと、昔の職人さんなので言葉足らずで「文字が彫れるようになったならば、今度ははんこ全体(丸の中のデザイン)を考えて彫るべきなんだよ」と教えてくれたのでしょう。

ペーパーレス、ハンコレスが進む中、はんこ職人という職業は目指さない方が良い仕事となっています。
もし目指すならば、ちゃんと職人になるには10年かかること、日本国内だけでなく積極的に海外へ販売していって商売として成り立つことを念頭に置く必要があります。

あらゆる名前であらゆる書体ではんこを彫って80点以上のものが作れるのがはんこ職人です。
そのためには数を彫る必要があり、はんこの需要が減っていくとホント難しいです。

そこでデザイナーさんならば、印鑑デザインルールも早く理解でき、彫れなくても、印鑑のデザインはできる人達が未来にもいて欲しいです。
そんなことを思い、自分なりに印鑑デザインルールを書いてみようと思います。


posted by 一日3本 at 10:46| 印鑑デザインルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする