あれは大学3年生の夏、音楽サークルに入っていましたので、サークルの合宿に行ってしまうとバンドの練習ばかり、合宿は行かずに長野県の方にテニスとかして、バンドメンバー中心に泊まりで遊びに行こうとなりました。
ゆるいバンド活動です(笑)
当時のキーボードは、ボーカルがバイト先で見つけてきた女の子。
夜呑んでいる時に、そのキーボードの子が霊感が強いことがわかりました。
「新宿には良く人が転がっているんだけど、みんな気付かなくて、見えていないんだな」
なんだそれっていう感じです。
「荒見さんはイイ人なんだけど、もっとたくさんの人と付き合った方がイイと思う」とメッセージをくれました。
「そうそう、この間のバンドの練習の時に来てた子が荒見さんのことカッコいいと言ってた」
「はあ」
面白いとか言われてもカッコいいとか、言われたこと無いし。
「でも、あの子と付き合った人みんな、大怪我しているのよね」
「紹介しなくていいから、というか紹介するなあ(笑)」
この流れで、肝試しをすることになりました。
肝試しと言っても、みんなで夜の散歩をするだけです。
ボーカルがそんなの信じないし、怖くないと先頭を切って歩き出しました。
キーボードの子は一番後ろをゆっくりと歩いています。
突然キーボードの子が後ろを振り返り、キャーと叫びました。
すると、ボーカルが後ろも見ずに、走って逃げ去りました。マンガのようです(笑)
はんこ屋は、後ろを見たのですが何も見えず、キーボードの子に何かいたのと聞いたのですが、何も答えませんでした。
この時は、キーボードの子がボーカルを驚かせたと思っていました。
でも、それが間違っていたことに東京に戻ってから気付きました。
異変はベーシストの一人暮らしのアパートで起こりました。
夜中の3時になるとドアが開くようになってしまいました。
怖いので、後輩に泊まりにきてもらっても、やはり午前3時に扉が開くのです、
話上手とか作り話好きではない、ベーシストの話なので、信じました。
その頃、高校からの友達に、両親が旅行でいないから泊まりに来なよと言われて、もう一人の友達と泊まりに行きました。
夜、飲みながら、これらの話をしました。自分で話しながら、鳥肌が立ちました。
朝、目覚めると家の持ち主の友達がもう一人の友達を責めるように
「何で、こんな扉を開けるんだよ」と言っています。
普段開けない押入れの扉が朝起きると開いていたそうです。
前に荷物もあり、開けるのは大変な扉です。
はんこ屋がそんなことをするタイプでないとわかっているので、もう一人の友達を責めているのです。そのもう一人の友達は、ポカンとした顔をしています。
やってしまいました。昨晩、変な話をして呼び寄せてしまったのでしょう。
でも、このことは黙っていた方が良い気がしました。
それ以来、夜にこの系統の話はしないようにしています。
このことがきっかけで、ベーシストに起こったことは秘密です。
久しぶりにこの話を思い出し、今の自分ならば、ベーシストのためにもっと何かできたのにと思います。