日本人の皆さんは、中学、高校時代にハンコを彫ったことのある人が沢山いるかと思います。
美術の時間に石に彫ったのは、おそらく落款印です。
落款印を知っていますかと問いかけながら、自分でも良く分かっていないことに気付きました。
国語辞典を調べてと思ったのですが、お店には漢和辞典しかなく、仕方なくネットで調べてみると、なんと「落款」は省略で「落成款識(らくせいかんし)」の略語だそうです。
落成は完成、款識は署名捺印のようです。
書画の完成した証に、作者本人が署名、捺印することを落款といい、その時使用するはんこを落款印または落款というようです。
はんこ屋がはんこを彫っいても、完成ポイントは彫っている人にしか、分からないようです。
まして、芸術作品の完成ポイントは、本人しか分からないでしょう。これが完成形として、署名、捺印する。なるほどです。
著名作家さんの場合、
この落款がある無しで、作品の価値が大きく変わり、真偽の証明、また年とともに落款印を変えていくことが多く、いつ頃の作品かを判断できます。
何より落款印の朱が入ることで、作品全体が締まります。
実用品ではなく、アート作品に作家本人が押すものが落款印です。
落款印の基本3本は、右上に押す長方形に好きな言葉を彫る引首印、
左下の署名の下に、文字を白抜きにして(白文)フルネームを彫る姓名印、
その下に雅号を文字が朱色(朱文)で小篆(しょうてん)という秦の始皇帝が編纂した文字で彫る雅号印
この3本になりますが、3本まて作る人は当店には来ません(笑)
石に彫るには道具も違い、彫り方も違いますので、石はお受けしません。
木や角に、石に彫ったように彫る模刻したものが当店での落款印になります。
レタリングで石に彫ったようにするのて、返って時間がかかりますが、ある程度の品質以上のものをお彫りするには、自分にはこの方法があっています。
落款印は基本形はあるものの、自由ですので、
印相体でモチーフを入れたものを日本画家さんが落款印として使って下さったり、作家さんが本のサイン用に作って下さることもあります。
また、今年になって外国人旅行者の方でフランス人の女性が手作りのカードに押すために、印相体モチーフ入りでご注文頂きました。
また、スイス人の男性がカリグラフィーの作品に押すために、トラディショナルな白文で名前を漢字にしてお彫りしました。
日本以外の人達にはんこを売るために、どのような使用の仕方を提案すれば、いいかとずっと考えていましたが、答えは向こうからやって来ました。
どんな国でもアート作品によっては落款を押せます。自分の作品の証明として、また押すことでよりその作品がクールになります。
世界に向けて落款印を売っていこう。