久しぶりに日本民藝館に行って来ました。
招待券を頂いたからです。
ゴム印を頼まれた方が日本民藝館にお勤めで、受取りの際に、もう10年くらい前、李朝の文字にモチーフが織り込まれている絵が観たくて、日本民藝館に足を運び、そこで、熊野神社の烏文字を知りました。
はんこの中で文字をモチーフに変えることができることに気付き、始めたものの邪道なのではないかと当時は考えていました。
ところが昔から文字をモチーフに変えることは行われていて、しかも神社で。
自分が肯定され、正しい道を歩いていると実感できました。
その時購入した熊野神社の特集「民藝」という雑誌は僕の宝物ですと「民藝」を見せながら言いました。
数週間後、その方が一枚だけだけどと招待券を持って来てくれました。
棟方志功さんの作品で文字もありますと渡されました。
棟方さんは特に好きでも嫌いでもありません。
せっかく頂いた招待券なので、民藝館に足を運んびました。
もう記憶から消えていました。
こんな一軒家で靴を脱いでスリッパで入場です。
特に順路はなく、1階と2階に展示されています。
まずは落款印をを見てみます。
「棟」が長方形の白文で彫られています。
下の真ん中に推してあるのがあり、こんな位置に落款もステキだなと思いました。
落款印自体は普通の出来で、作品によってはもうちょっと他の落款印の方が合うのではと、思ってしまいます。
大きな丸い枠の中心に四角があり、そこに白文で棟が彫ってあるのがありました。
これはこれで面白いと思ったのですが、その作品にしか今回の展示では使われていません。
丸を小さくすれば、もっと使い勝手が良くなりますよとアドバイスしたかったです(笑)
棟方志功さんと言えば、カラフルな版画のイメージですが、黒一色の作品がいくつもあり、般若心経の文字を彫った作品がありました。
判子も一色の世界なので、一色の作品に対する評価が明確に分かります。
棟方志功さん、100点満点で120点です。素晴らしい。
更に見ていくと、般若心経の文字を一枚ずつ刷って、それを貼り大きな屏風にしているものがありました。
もう棟方志功さんの文字の虜です。
例えば「無」という字は2種類あって、場所によって使い分けているようです。
「色」という字は同じものが近くに3箇所あります。
どのような意図を持って、同じ版を使ったり違う版を使ったりしているかが分かりません。
この作品が載っている本を購入しようと日本民藝館内のショップに行き、尋ねました。
今回初めて展示される作品で「民藝」に一部載っています。
全体を縮小版で見れば、文字の使い方が分かるかも知れないと思ったのですが。
そうだ。般若心経の文字1文字ずつはんこで彫り、押して般若心経にするというのは、面白いかもしれないとアイデアも頂きました。
もし、見に行かれる方がいましたら、是非、展示されている棟方志功の手紙を見て欲しいです。
癖字ですが味があり、読めて伝わってきます。
柳宗悦さんは凄く達筆なのですが、棟方志功さんの手紙があまりにも次元違い、柳宗悦さんの手紙は引き立て役になっています。
日本民藝館は老朽化が進み、建て替えのための募金を求めています。
募金箱に入館料相当を入れて、出て来ました。