2016年05月25日

自分史上最大

50代と思われる男性がいとこに、最初はキレイに押せたのが、ムラが出来てキレイに押せなくなった。朱肉を変えた方がいいのか?と尋ねています。

うちで作ったはんこのことでしたら、責任持って原因を追求しますが、他店で作ったはんこについて、色々言われてもなと、いとこに任せておきます。

柔らかく粘り、なかなか、帰らないので、
仕方なく対応して、
はんこをキレイに押すためには、はんこの表面が平らに出来ていること、朱肉の質、押し方と3つ揃う必要があることを伝えました。

どこで作ったどんなはんこかお聞きすると、お寺用の6センチの角印で、お寺のグッズ専門のインターネットサイトで注文したそうです。
ここで俄然、興味が湧いてきました。

はんこ屋さんの専門誌で、神社、仏閣を相手にはんこのチラシを作り、商売しているところがあると読んだことがあります。
インターネットでお寺グッズ専門店があるとは。

朱肉やはんこを見てみないと原因は分かりません。ついでの時に持って来てみて下さいと言ってみます。
普段は、はんこよろず相談所じゃないからと、絶対言わないことです(笑)

というのも、御朱印などに使われている印鑑が欠けていたり、印刷の印鑑がデザイナーさんが考えたはんこ風のものだったり、
まともなはんこを使っているところが、あまりにも少ないです。
もう生活費を稼ぐ必要がなくなった時には、有名神社仏閣を訪ね、はんこのダメ出しをして、作り直させるという野望があります。

しばらく経ち、朱肉と6センチ角印を持って、その方が現れました。
結局、押し方の問題でした。
その角印は一応手書き印稿と思われますが、仕上げ無しの機械で、彫りっぱなしで、印相体なのに枠が細く無く、のっぺりしています。
機械彫りなことを伝え、
普通、篆書じゃないんですか?と手彫りの篆書の見本を見せると迷われた末、
51ミリ角の篆書体で作ると注文を受けました。

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自分史上最大のはんこをお彫りしました。
大きな篆書体のはんこを彫ることは、新鮮で、とても勉強になりました。
時間もたくさんかかりました。

より良いものをもっと短時間で彫るためには、数を彫る必要があります。
これは、神社、仏閣用のはんこのインターネットサイトを現在のとは別に作る必要があることに気付きました。
となると見本を彫る時間を作れるのでしょうか?(笑)
見本を彫る自身が出来たら、ケロティさんに相談してみよう。


posted by 一日3本 at 10:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月21日

荒見かな?

篆刻作家さんが作った角印の中にあった伝統的なアレンジでデザイン化された ひらがなを見て、はんこ用のひらがなの書体を作ってみようと思いました。

朝6時に起きて、朝食前に自宅で印稿書きをしているのですが、印稿書きが早く済んだ時に、少しずつ、篆書系のひらがな50音を書き始めました。
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まずは鉛筆書きです。
作業的には、思いのほか楽しいのですが、ご注文頂いている仕事優先ですので、一気に書く訳にはいきません(笑)
いつ完成するのやら。
でも、
ホントところ、完成はなく、
どこをどのようにどのくらい曲げるかは、他の字とのバランスで決めるべきことですから、完成形ではなく、基本ベースとしての ひらがなの形となります。

書体なので、名前を付けなければと考えました。
あの角印を彫った方の名前が分かっていれば、敬意を表してお名前の一部を使わせてもらって付けられるのですが、名前も分かりません。
今回、自分なりに、読めるようにアレンジしてと書き始めたので、角印を彫った方のアレンジとは違います。

自分の姓をとって、荒見かなでいいな。
荒見かな?と疑問符付きが、1番イメージです(笑)

ひらがなの次は、このアレンジの仕方で、カタカナ、アラミカタを書いてみようかな。
posted by 一日3本 at 09:32| はんこ屋職人養成講座G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月19日

はんこ用のひらがなの書体を作ってみよう

ちょっと前のこと、
角印を見せられ、このように彫れますか?と聞かれました。
ちらっと印影を見て、文字を太めにした篆書系の書体でデザイン的に彫ってあります。ひらがなの会社名のアレンジが独特ですが、この感じで、他のひらがなと言われてもできるなと高速で判断し(笑)、できますとだけ答えました。

正直、頼まれないと思っていたのですが、ご注文に来られ、長年使って傷んできているので、同じ感じで作り直したいということでした。

あらためて、そのひらがなを研究すると
漢字に用いる、文字の先を曲げたり折り畳んだりする手法をひらがなにも適用しているだけなことが、分かりました。
「つ」が、こんな風になっていました。
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そうかと、目からウロコです。

これは篆刻作家さんが彫ったものですねと確認したところ、その会社の社長さんの知り合いの多分篆刻作家さんに彫ってもらったとのことでした。

こんな風に文字をアレンジできるのに、会社名の一文字目だけ小さく見えるのが、前の角印のダメなことなので、そこは直してお彫りしました。

ひらがなを折り畳んだりして、ある程度空間埋める篆書系のひらがな書体を50音書いておけば、それを印相体にするのが簡単になるかも。

そうだ、はんこ用のひらがな書体作りを始めてみましょう。
posted by 一日3本 at 09:46| はんこ屋職人養成講座G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月17日

若冲展ふたたび

ゴールデンウィークを明けて、若冲展がもの凄い混雑になってしまいました。
その主な原因は、NHKさんのテレビで若冲さんの特集が放映されたためようです。

知り合いが平日に気軽に行くと180分待ちとあり、そんなに時間はないとその日は諦めて帰り、別の知り合いは平日210分ホントに待って入館。年配の方ばかりだったそうで、会場内の一部は満員電車のようだったと言っていました。

毎日、公式ツイッターを見て、混雑状況を確認していると、朝1番がいちばんの混雑、夕方には大分待ち時間が減っていくと分かりました。
もしかすると、平日より土日の方が空くかもと思っていると、平日は180分待ちがほとんどに対して、土曜日は160分待ちになっていました。
5月15日(日)、もう行けるのは最後のチャンスと並ぶのを覚悟して、帽子を被り、本を2冊持ち、スマホは充電100%にして臨みました。
午後1時半に並び始めると150分待ちとありました。比較的順調に進み、2時間切るかもと思ったところで、列がまったく動かなくなった謎の15分間がありました。
勝手にVIPが来たんじゃないと疑います(笑)
結局120分で入場でき、ラッキーでした。

2回目の目的は動植綵絵の前半部分を最前列で観ることでしたが、15分待って1メールくらい進みまだ、最初の絵にも辿り着けず、諦めて、隙間から観ました。
これだけ入館して、運営資金があるはずなので、係員を増員し、最前列の人は立ち止まらず、ゆっくり前にお進み下さいと言い続ける人がいれば、もう少しはスムースに観れるのにな〜と、余計なことを考えつつ。展示自体は素晴らしかった若冲展でした。
前回は無かった象の手ぬぐいをお土産に購入しました。
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図録は売切れで、送料無料で送ってくれるそうです。

若冲特集の雑誌も色々出ていますが、オススメは和樂4,5月です。金色の表紙に象がいます。オマケも可愛く、若冲さんの技法についての解説もあり、楽しめます。
ただ、ゆるキャラの一つとして若冲居士のはんこが挙げられていましたが、その画像がオカシイのです。「若」で、つながってはいけないところがつながっていて、きっと文字を知らない人が修復して、間違ってしまった作品があるのだなと気付きました。混雑でその絵自体は、発見できませんでした(笑)

いつか宮内庁三の丸尚蔵館で観てみたいです。
posted by 一日3本 at 12:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

阿蘇山モチーフの方から

阿蘇に実家がある福岡にお住まいの方から、このブログを読んでメールを頂きました。
熊本地震で実家は被害があったものの、ご両親共に無事だったそうです。

ちょっと前のメールですので、今とは状況が違うと思いますが、そのメールには実家まで行ける公共交通手段がなく、駆けつけることはできません。良く食べ、良く寝て出番に備えますとありました。
心配して眠れない日々を過ごし、自分も弱っていくより、食べて眠れることに感謝して元気でいることで、必ず役に立てる時が来ると気持ち良い割切り方です。
勉強になれます。
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これはまったく別の福岡にお住まいの方のモチーフ入り印鑑です。
豪華モチーフ3点盛りです(笑)
with our Kyushuと応援で。

posted by 一日3本 at 10:02| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月09日

若冲居士のはんこをなぜ素晴らしいと思うか

伊藤若冲さんが好んで使われている「若冲居士」(じゃくちゅうこじ)と大きな丸に朱文で彫られているはんこを、スゴイなと思います。

この丸いはんこ、ツノに彫られていたそうです。
てっきりに木に彫ったものと想像していたのですが、今回の図録の解説にツノに彫ったはんことありました。
ツノだったので長持ちだったのですね。

ツノは硬いので、それなりに切れ味の良い印刀が4本はいるよなと思ったのですが、日本刀があった時代ですから切れ味の良い印刀当然作れましたよね(笑)

枠を均一に彫り、文字と枠の接している部分もきれいに彫れています。技術のある人が彫ったことがわかります。

文字については、篆書体で「若」の口が横向きになっているところ、「冲」の中の部分に点が二つ付いている所が少し違うところです。これはスゴイと思うほどではありません。特に中に付いている点については、もっと良い位置があったかも知れないと思ってしまいます。

では何をスゴイと思っているのでしょう。
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Aは若冲さんのはんこを簡単にトレースしてみました。
Bは字の形はそのまま、レイアウトを普通の篆書体に使われるようにして書いてみました。

これでお気付きですか?
Aは文字が小さいではなく(笑)
文字と文字の空間が真ん中十字に空いていて、且つバランス良く見えることです。
このように真ん中に左右上下に空間を作りつつ、バランス良く見えるはんこを他に見たことがありません。
ここがスゴイんです。
こんなテキトーに書いてもAには儚さが感じられる気がします。

居士を男性を表すものと拡大解釈して、「荒見居士」とこの印鑑風に彫って見たくなりました。
来年の年賀状用に若冲さん風の鳥を彫る予定ですので、それ用に彫ろうかな(笑)

残すとこ、わずかな若冲展、是非皆さんも足を運んでみて下さい。
posted by 一日3本 at 10:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月07日

若冲展で落款を観る

今回の若冲展では、今までに観たことのない落款印がいくつもありました。
図録には印章の解説もあり、若冲さんは30種類近くの印章を使っていたとありました。

一般的に落款印は、3種類1セット。
四角に白文(白抜きの文字)でフルネーム氏名印、四角に朱文(文字が朱色)で雅号・雅号印、長方形に好きな言葉を彫る引首印とこの3本と思っています。
ちゃんと学んだわけではないので、間違っている可能性もあります。
絵画の世界では、3つ押されていることは
少ないと思われます。

若冲さんの落款印を観ると白文と朱文の2種類が押してある作品が多いです。
四角のはんこが二つ白文と朱文同じ大きさで並んでいることもありますが、四角と丸のことも多いです。

白文の四角にはフルネームではなく、好きな言葉を彫ってあります。
正直、なんの資料もなく落款を観て、直ぐには読めない字もありました。
普段自分で使わない字の形は、字林を調べれば、分かっても、直ぐにはわかりません。自分まだまだです。

若冲さんの落款で一番有名なのは、「若冲居士」と丸に朱文で彫ってあるものです。
これがかなり大きいです。
白文の四角いハンコの下に、四角より大きい丸で朱文のはんこが押されています。

おそらく、白文は朱色がたくさん出るので大きく見えます。朱文は白文より小さく見えるので、朱文のサイズを大きくしたと思われます。
はんこも作品の一部となるので、このような視覚効果を考えていたと想像できます。

朱文なのに、極端に文字を太くして白文に見えるものまでありました。

今、発売中の雑誌を読むと若冲さんのはんこは、本人ではなく、発注して作ったものと想像できるとありました。
独特なので、本人が彫ったはんこと勝手に思っていました。
落款印、特に朱文のものはアイデア勝負のようなところがありますから、若冲さんのアイデアをはんこ職人さんが彫ったと考えると納得できます。
はんこは誰が彫ったかが重要ではなく、誰が使ったかこそ重要と分かる出来事です。

今回の展示、最前列はゆっくりとしか進めませんので、
是非落款印にも注目してご鑑賞下さい。

posted by 一日3本 at 10:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月04日

若冲展に行く

平成28年5月1日(日)上野にある東京都美術館に若冲展を観に行って来ました。
生誕300年の大きな若冲展なのですが、開催期間がゴールデンウィークを含めて、約1カ月しかありません。平日は行けませんので、どう考えても混雑の中観るしかありません。
とりあえず、前売り券を2枚購入しました。ステキな人と行くためではなく、自分で2回行くためです(笑)

日曜日午前中は用事があり、午後2時近くに上野に到着。
前売り券を持っていましたので、チケット購入の列には並ぶことはなく、入場待ち行列に並びました。(チケット購入まで10分くらいかかったようです)
入場まで30分待ちとアナウンスがあります。

ここで、お得情報。
この入場行列、進行方向左側に並んで下さい。
左側だけどんどん進みます。
横巾が広い行列が入場時に2列くらいになります。最初に右カーブするため、右側の列進みません。
そのことに気付き、右側から左側に移っていくと15分くらいで入場できました。

会場内は混雑です。
今回の展示の特徴は、この展示のためのガラスケースが作られていることです。

ですので、ガラス越しではありますが、最前列に並べば、間近で観れます。
最前列で観るために行列ですが、並んで観ます。

ここで、こんなうるさい美術展に出会ったことがないと思うほど、何人もが、勝手な感想を並びながら話しています。
例えば、水墨画の所で、これは大したことないなと60過ぎのおじさんが言っています。えっ水墨画、スゴイだけど、わかりませんか。なんなら解説しましょうか。などと心の中で反論します。
そんな人達とはなるべく離れて観るようにしたのですが、とにかく二人連れが必ず感想を言い合っています。
誰もが感想を言えるのが、若冲人気を支えているのかもしれないと前向きに捉えて、観ます。

もうどうにもならない、動きようがない列に並んでいる時、直ぐ後ろにいた50代のおじさんがニワトリの足がオカシイ、アレでは岩がつかめないはずだとか、そんな感じの感想を言い続けられて、もう、あなたは音声ガイド聞きなさいと言いたくなりました(笑)

別のおばさんが「暗い背景の中、白があるとホッとする」という感想を聞くと、なるほどなと納得しました。こんな感想もまれに聞けました。

色々な段階の若冲好きな人達が観に来ていますので、覚悟して、行って下さい。

展示は素晴らしく、本来なら若冲さんが生きた江戸時代に想いを寄せ、若冲さんの頭の中に入って行けそうなのですが、雑音に負けてしまいました。

次は集中力を高めて、臨みたいと思います。
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posted by 一日3本 at 10:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする